たつぞうです。
冬の時代は、勉強に最適です。今回は、Hashhubさまのレポートをもとにして、AA(アカウントアブストラクション)なるものについてお伝えしようと思います。
下記リポートは、1月6日まで無料で読むことができます(アカウント登録は必要)
Ethereumの重要なロードマップの一つ”Account Abstraction”の概要 | HashHub Research
背景
・クリプトユーザーにとって、秘密鍵やシードフレーズの管理は大変(GOXの不安がつ
きまとう)
イーサリアムのアカウントの違い
イーサリアムには、EOAとContract Accountと呼ばれる2つのアカウントが存在する。
(1)EOA
・ブロックチェーンの外にあるアカウント。秘密鍵の署名によりトランザクションを作る。
(2)Contract Account
・秘密鍵がなく、スマートコントラクトにより様々なオペレーションを行う。ただし、秘密鍵がないため、直接トランザクションを生成することはできない。
これまでは、EOAによりトランザクションが生成され、その後、Contract Accountでスマートコントラクトのオペレーションが実行されてきた。つまり、EOAという存在がなければ、原則トランザクションを生成することができない仕様だった。
(3)EOAの課題
・EOAの最も大きな課題はセキュリティ。EOAは秘密鍵を所有しているため、秘密鍵及びシードフレーズを紛失した場合、GOXすることになる。
AAの特徴
(1)秘密鍵が不要
・Contract Accountでは秘密鍵が不要になる。秘密鍵の替わりに、メールアドレスなどでのソーシャルリカバリーが可能(Argentで採用)
(2)複雑性の解消
・EOAとContract Accountの2種類のアカウントを介して行われていた処理が、Contract Accountに一本化されることにより、ガス代も安くなる。
(3)その他
・トランザクションの手数料をETH以外のERC-20トークンで払うことが可能となる。
ZkRollup上での実装
(1)zkSync
zkSyncのDappsやウォレットでは、次のようなことができると言われている。
①ソーシャルリカバリー
②不正送金の防止
③柔軟な署名方法
(2)Argent
・代表的なContract Walletであり、Account Abstractionを実装している。
・Guardiansという仕組みがあり、他のデバイスや人物によって、ウォレットのロックやリカバリー、トランザクションの承認などの権限を渡すことが可能。
・デバイスを変える際、比較的セキュアにデバイスの登録が可能。
イーサリアム上での実装には、まだまだ時間がかかりそうなAAですが、秘密鍵を必要としないウォレットを早く利用したいものです。
合言葉はお役立ち。
今後も注目のトピックをお伝えしていきます。